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初代代表理事 

​石 井 浩

​ごあいさつ

馬力という言葉が示すように、牛馬は封建時代の経済力を左右する原動力でした。今はイメージしにくいですが、原動力生産基地であった牧は社会の基盤をなす極めて重要な場だったのです。
これに加え、嶺岡牧はいち早く近代酪農の牧となったことから、江戸幕府による酪農場の囲い込みと製乳業による内発的産業革命をもたらし、日本の歴史を産業資本主義段階へと大きく動かした記念すべき地となりました。
さらに近年の嶺岡牧研究で、八大将軍徳川吉宗が国民の寿命を延ばすため嶺岡牧で酪農を始めてから一貫して嶺岡牧は国民の暮らしを牽引してきたこと、及び嶺岡牧で進められた日本の近代化が戦争やコモンズの悲劇など世界的な問題を解決するアジア型発展であったことが明らかとなり、嶺岡牧は世界の将来を築く方向を指し示した人物資産であり、希少な記念物を登録する世界遺産よりも遙かに重要な歴史文化遺産と評価されてきています。

 こうした嶺岡牧を語る上で欠かせないのが、現地で嶺岡牧を管理していた牧士家です。牧士は、江戸幕府へ牛馬頭数や管理状況についての報告、幕府の意向に従って牧管理の実施、幕府からの検分に赴いた役人の接待、草地を囲む野馬土手や牛馬が水を飲む井戸など飼養施設の構築修復のマネジメント、牛馬の病気を治すなど獣医としての役割、馬の調教、そして牧の管理を通して地域の政を行うなど、多面的な役割をはたしてきました。そのため、嶺岡牧の牧士家には、それらを記録した古文書や、御用に関わる馬具、食具、衣装などの民具、牧士家の建物や墓地など、嶺岡牧に関わる日々を示す多くの歴史文化遺産を残しています。

​ この、嶺岡牧の拠点施設である嶺岡牧士家の歴史文化遺産を、最適な地域暮らしを実現する資源として利用すること、そのための保存整備を皆の力を合わせて行うことを目的として、一般社団法人嶺岡牧士家保存活用協会を設立しました。
私たちの活動に、多くの方のご参加をお待ち申し上げております。

お問い合わせ:

mineoka.mokushi@gmail.com

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